歯のヒビは自然には治りません
香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。
歯の表面にできたヒビや亀裂は、自然に治りますか?というご相談を頂くことがあります。
歯の表面にできたヒビや亀裂は自然治癒はしないのです。
そして何も対処せずヒビを放置しておくとさらにヒビが深くなります。
雨垂れ石を穿つという言葉があります。
穿つ(うがつ)とは「穴をあける」という意味です。
たとえ小さな力であっても積み重ねていくことで硬い石に穴があいてしまうんだという意味です。
毎日の噛む力、そして噛み締め、喰いしばり、寝ている時の歯軋り、これらの噛む力が毎日毎日、何十年も積み重なることによりある日突然歯にヒビが入ったりする方が増えてきたのです。
たとえ小さく浅いヒビや亀裂であっても自然に治ることはありません。
ですからもうこれ以上ヒビが深くならないように注意する必要があります。
割りばしをイメージしてみてください。これは割りばしの写真です。
割りばしに力がかかると隙間が開きます。
力がかからなくなるとその隙間は閉じます。
力がかかって隙間が開くと歯の場合には歯がしみます。
力がかからなくなるとその隙間が閉じてしみなくなっていきます。
割り箸を何度も何度も力を加えて、ある限界点に到達した時一気に割り箸は割れてしまいます。
われた割り箸の断面は硬いですよね。直線的ですよね。
歯も同じように割り箸を割った時のように直線的に硬い面を残しながら割れてしまうのです。
割れた部分のヒビが有る程度進んで、噛むことにより歯を押し広げるような力が働く様になると、歯の中の歯髄(神経)を刺激し痛みが出ます。
「硬いものをよく噛んだ方が歯が丈夫になる」と若い時に言われ長年硬いものをよく噛む習慣をお持ちの方がよくいらっしゃいます。
硬いものを日常的に噛んでいる方のお口の中を診させて頂くと歯にヒビや亀裂が多く入っています。
そしてすり減っています。
硬いものを噛んで歯が丈夫になるのは若い成長期の人だけです。
歯は成長期の20歳を過ぎたらできるだけ大事に使う必要があります。
雨垂れ石を穿つという言葉通り、小さな力でも積み重なると「穴をあけてしまう」ことになってしまいます。
硬いおせんべいや氷をバリバリと勢いよく噛む習慣がある方はぜひその習慣を変えて頂きたいと思います。
歯のヒビが前段階としてあり、毎日の噛む力がかかり続けることにより歯はある日突然割れます。
歯が割れて歯の根まで割れてしまった場合には「抜歯」となってしまいます。
歯にヒビがある場合にははやめに対策が必要です。
吉本歯科医院では歯の破壊を防ぐために夜間就寝時には必ずマウスピースを装着して頂いております。※吉本歯科医院の咬合を安定するマウスピースは7種類あります。
歯を失うのは歯周病や虫歯のような細菌性にものだけではありません。
噛む力によって歯は簡単に破壊されます。
歯のヒビがある場合の受診
歯のヒビ割れや亀裂は痛い、しみる、などの自覚症状がない場合が多く気が付かないうちに症状が悪化していくことがほとんどです。
歯のヒビが進行した場合、歯の神経がある歯の場合には根管治療で歯の神経を取らないといけなくなることがあります。歯の神経が死んでいる歯(過去に歯の神経を取った歯)の場合であれば、抜歯まで至ってしまうこともあります。
もし、虫歯でもない歯がしみたり痛いなど違和感を感じた時には「単なる知覚過敏かな」と自己判断される方は非常に多いです。噛んだ時にズキンズキンと痛む場合には歯にヒビや亀裂が入っていることがありますのでお早めにご相談にお越し下さい。