前歯にヒビが入る原因を解説

前歯にヒビが入る原因|咬み合わせ専門家が解説|高松市 吉本歯科医院

香川県 高松市 噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。

歯にヒビ

歯にヒビが入っていますと診断を受けて驚かれ慌ててご相談にお越しになられる方がいらっしゃいます。

お若い方にはあまりないのですが50歳を過ぎるころからだんだん歯にヒビがはいってきたという方は増え始めます。

多くの方は「え?歯にヒビなんて入るんですか?どこかでぶつけたんでしょうか?」と驚かれます。

特にぶつけたり転んで歯に衝撃があったわけでもない歯にヒビが入ってしまうことは実はよくあります。

歯にヒビが入る原因|香川県高松市の吉本歯科医院

今ほど歯科治療が進化する前はだいたいの方が60代になるとお口の中にご自分の歯はなく入れ歯が入っていました。

入れ歯の場合には強く噛めないため歯にヒビが入って驚くということはありませんでした。

しかしここ十数年で歯の意識は高まり、健康寿命を延ばすために歯が大事という意識が浸透しつつあり歯周病や重度の虫歯で抜歯になってしまう方は減りました。

そのぶんご自分の歯が長年の使用でヒビや亀裂が入る方が増えてきたのです。


雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)ということわざをご存じでしょうか?


穿つ(うがつ)とは「穴をあける」という意味です。
たとえ小さな力であっても積み重ねていくことで硬い石に穴があいてしまうんだという意味です。

毎日の噛む力、そして噛み締め、喰いしばり、寝ている時の歯軋り、これらの噛む力が毎日毎日、何十年も積み重なることによりある日突然歯にヒビが入ったりする方が増えてきたのです。

歯を抜かない治療|歯根破折による抜歯から歯を守るなら香川県高松市の吉本歯科医院

吉本歯科医院ではには全く虫歯や治療した形跡も無い健康な歯なのに、「歯が痛い」「歯がしみる」というご相談にお越し下さる方がいらっしゃいます。
お口の中を詳しく診させて頂くと歯にヒビや亀裂が入っている歯の破折が痛みの原因の場合がほとんどです。
ヒビや亀裂から歯の中の歯髄(歯の神経)に細菌感染が生じる破折による痛みが原因です。そして神経を取る治療を受けられている歯の神経の無い歯が折れたり割れてりして来院される方は非常に多くご相談をお受けします。

歯のヒビの症状

歯にヒビが入って場合のお痛みは、神経がある歯と歯の神経がない歯では痛み方が違います。

生きている歯(歯の神経を取っていない歯)にヒビが入った場合

噛んだ時にズキンというような激痛が走ります。
ズキンズキンと脈打つように激痛がくると表現される方もいらっしゃいます。
歯にヒビが入る部位の多くは咬みあう歯同士が当たる部分です。

最初は「なんとなく重い感じ」といった違和感をお感じになり噛むと痛い感覚です。


割りばしをイメージしてみてください。これは割りばしの写真です。

歯の神経のお痛みなら香川県高松市の歯の神経治療専門歯科 吉本歯科医院

割りばしに力がかかると隙間が開きます。

歯の神経のお痛みなら香川県高松市の歯の神経治療専門歯科 吉本歯科医院

力がかからなくなるとその隙間は閉じます。
力がかかって隙間が開くと歯の場合には歯がしみます。
力がかからなくなるとその隙間が閉じてしみなくなっていきます。


割り箸を何度も何度も力を加えて、ある限界点に到達した時一気に割り箸は割れてしまいます。

われた割り箸の断面は硬いですよね。直線的ですよね。

歯も同じように割り箸を割った時のように直線的に硬い面を残しながら割れてしまうのです。

割れた部分のヒビが有る程度進んで、噛むことにより歯を押し広げるような力が働く様になると、歯の中の歯髄(神経)を刺激し痛みが出ます。

歯の神経が死んでる場合(すでに歯の神経を取る治療をしている場合)

歯の神経を取っている歯は非常に弱くもろくなっています。

神経を取った時点で歯の強度は10分の1まで落ちていますので実は簡単に歯が破壊される状態になってしまっているのです。

歯を抜かない治療|歯根破折による抜歯から歯を守るなら香川県高松市の吉本歯科医院


歯の神経がない歯の場合、咬みあう歯が強く当たっている部分にヒビや亀裂が入ることもあります。

歯の根っこの部分にも割れや亀裂が入る事が非常に多くなります。これは歯根破折(しこんはせつ)と言います。
症状は歯茎が腫れていたり歯の周囲から膿がでてきたりといったことが起こります。また、噛んだら痛い症状がでてきます。

しかし、既に神経を取っている歯ですので生きている歯のヒビや亀裂の時とは違い、ズキンとくる激痛ではありません。
神経を取っているためまったく痛みがない自覚症状がないケースももちろんあります。

抜歯にならないために知っておいて欲しいこと

歯にヒビが入る原因

歯にヒビや割れ亀裂が入る原因は、咬む力、喰いしばり、寝ている間の歯軋りといった力により起こります。

歯を抜かない治療|歯根破折による抜歯から歯を守るなら香川県高松市の吉本歯科医院

ここで知っておいて欲しいことは
神経を取っている歯はヒビや亀裂など「破折」が非常に起こりやすいという事実です。

歯の神経を取った歯は折れやすい


歯の神経を取った歯の強度は一気に10分の1まで落ちます。
神経を取った歯は枯れ木と同じですので少しの噛む力がかかると簡単に破壊されます。

生きている歯(神経がある歯)の場合には、ヒビや亀裂など破折のトラブルは少なくなります。


それが強く噛んだりした時、「痛いな」「しみるな」と自覚症状を感じることができるため力の加減ができるからです。
しかし、歯の神経を取っている歯には自覚症状は出ません。感覚は非常に鈍くなっており少しの違和感を感じることができなくなっています。

寿命が延びてきていることも大きな要因です。歯周病でない場合にはなんでも咬める場合が多いため硬いものをバリバリとしっかり噛んでしまい長年の使用により歯にヒビや割れや亀裂を起こしてくるトラブルが増えてきたのです。

歯のヒビの治療方法

生きている歯(神経がある歯)の場合

神経のある歯にヒビが入り割れているような場合、ヒビの入っている方向や、ヒビの到達度によって違います。痛みが有ってヒビが入っている場合、先ずは、歯の中の治療をします。そして仮に咬めるようにしておいて、症状が無くなれば、被せて残します。
しかし、いつまで経っても咬んだ時の痛みが治まらない場合は、抜歯を選択しなければならない場合も有ります。
歯茎で見えない深い部分にも亀裂が入っていたこともあります。

死んでいる歯の場合(神経を既に取っている歯)の場合

神経が無い歯の場合、歯の根(歯根)を含めた、どの部分が折れてもおかしくないと言われています。
折れた場所が咬む部分だけの場合は、被せる処置をしたりしますが、根のが真っ二つに割れてしまった場合は、多くの場合は抜歯となります。
折れた根を接着剤で張り付ける方法も有りますが、もともとが弱い歯なのでその治療をしても噛む力がかかると割れて抜歯となってしまう場合が多いです。

歯にヒビが入らないための予防方法

歯の神経を取らない治療

歯にヒビや亀裂が入らないための最大の予防方法は、「歯の神経を取らない」ということです。

歯の神経のお痛みなら香川県高松市の歯の神経治療専門歯科 吉本歯科医院

歯の神経を取らなくてはいけないような状態にしないことがまずは大事です。

破折から歯を守るために知っておくこと

硬いものを噛まない

歯を抜かない治療|歯根破折による抜歯から歯を守るなら香川県高松市の吉本歯科医院

硬いものを噛まないことを意識していただくことです。多くの方は「硬いものをしっかりよく噛むと歯が丈夫になる」ということを言われます。そして年齢を重ねた方であっても硬いものをバリバリとよく噛むことを習慣にされている方もいらっしゃいます。しかし、硬いものをしっかり噛んでというのは成長発育中の方だけであり成人した方の場合には日常的に硬いものをバリバリと噛んでいれば歯は劣化し、ヒビが入ったり割れたりします。

雨垂れ石を穿つという言葉があります。
穿つ(うがつ)とは「穴をあける」という意味です。
たとえ小さな力であっても積み重ねていくことで硬い石に穴があいてしまうんだという意味です。毎日の噛む力、そして噛み締め、喰いしばり、寝ている時の歯軋り、これらの噛む力が毎日毎日、何十年も積み重なることによりある日突然歯にヒビが入ったりする方が増えてきたのです。極端に硬いもの、氷や硬いせんべい、引きちぎる力が必要なフランスパンなど毎日このような食事をすることは避けて頂きたいと思います。

喰いしばり歯軋りから歯を守る

歯にとって一番の破壊力は夜寝ている間の噛み締め、食いしばり、です。
夜間、寝ている時というのは私たち人間は無意識にギューッっと噛み締めています。「ギューッ」という強力な噛む力が毎晩積み重なっています。就寝時に喰いしばる癖や歯軋りの癖がある場合は、朝起きると肩こりが激しかったりする場合は喰いしばっていると思われ、歯にヒビが入る原因の一つになります。

吉本歯科医院では歯の破壊を防ぐために夜間就寝時には必ずマウスピースを装着して頂いております。※吉本歯科医院の咬合を安定するマウスピースは7種類あります。

歯のヒビがある場合の受診

歯のヒビ割れや亀裂は痛い、しみる、などの自覚症状がない場合が多く気が付かないうちに症状が悪化していくことがほとんどです。
歯のヒビが進行した場合、歯の神経がある歯の場合には根管治療で歯の神経を取らないといけなくなることがあります。歯の神経が死んでいる歯(過去に歯の神経を取った歯)の場合であれば、抜歯まで至ってしまうこともあります。

もし、虫歯でもない歯がしみたり痛いなど違和感を感じた時には「単なる知覚過敏かな」と自己判断される方は非常に多いです。噛んだ時にズキンズキンと痛む場合には歯にヒビや亀裂が入っていることがありますのでお早めにご相談にお越し下さい。

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